ふじみの坂・・・堂 坂
昔は村名、字名は一部の居住する地域に限られていたため、名のない地域の目印として坂名や塚名があったと考えられます。坂名のある坂付近には神社・仏閣・石仏・湧水などが多いですが、その坂も現在では道路の改修等により、曲つていた坂が直線的になったり、急坂がなだらかになったりして命名された時代の坂とは異なってきているものの、散策していると富士見の歴史を感じ取ることができます。
【堂 坂】
武蔵野台地が一挙に諏訪(折戸)、山室の水田地帯に移行する崖に作られた急峻の坂であった。坂の狭い両壁がビルの谷間のようで、富士見市で最も急坂で知られていた。この坂の崖の上にお堂(山室地蔵堂)があったことで堂坂と呼ばれるようになった。堂坂の上にたてば眼下に北より勝瀬、山室、折戸、宿の広大な緑の穀倉地帯の水田が一望できたという。
昭和48年(1973)の市役所移転以前の堂坂は、南畑方面からの農家の人たち専用の農道にすぎなかった。今は市役所、キラリ、ららぽーとに通じる坂である。
※坂名の説明は、ふるさと探訪部会の「ふじみの坂」冊子を参照した。